LEATHER SKIVING

革漉き(かわすき)とは、様々な厚みの革を用途に合わせて薄くする作業のことです。

動物の革そのものの厚みのことを、元厚(げんあつ)と呼び、動物の種類、成長具合、部位により革の厚みは様々です。0.1mm単位の厚みに革を加工する革漉きは、高い技術力を必要とする職人仕事です。

 
 
 

革を漉く理由
革を漉く理由は、「加工をしやすくする」こと。

革はしなやかで柔軟性がある素材ですが、鞄や財布などを作る際に、革と革とを縫い合わせる部分、折れ曲がる部分などを薄くすることで加工をし易くします。もう一つの理由としては「軽量化」。製品の使用用途に合わせて、商品が重たくならないように革の厚みをコントロールしています。秋庭皮漉所は革漉きを専業で行う会社です。

 
 
 

漉き方の種類
革漉きには、大きく2種類の漉き方があります。

ひとつは"ベタ漉き"(革を均一に漉くこと)を得意とする「バンドナイフマシン」を使用した漉き方。革の大きさも短辺で約28cm以内であれば漉くことができ、長さは特に制限はありません。もうひとつの漉き方は、「コバ漉き機」を使用した"コバ漉き"(部分的に漉くこと)。主な用途は、鞄や革小物を作るために裁断された革のパーツの縫い代部分や、折れ曲がる部分、革が重なる部分などを部分的に漉くことです。秋庭皮漉所の設備は「バンドナイフマシン」「コバ漉き機」の2種類です。

 
 
 

 

ベタ漉き(均一漉き) / バンドナイフマシン
バンドナイフマシンとは、ベタ漉き(革を均一に漉くこと)を行うための機械です。

薄くしたい革を、帯状のナイフ(バンドナイフ)が回転している箇所に革の断面を当てることにより、革を分割していきます。コバ漉き機とは違い、大きな革も漉くことができ、短辺は約28cm以内、長さに限りはありません。漉く革の厚みに関しては、0.1mm単位での漉き加工が可能ではありますが、0.5mm以下の厚みに漉く場合は漉き切れなどのリスクは高くなります。

 
 
 

コバ漉き(部分漉き) / コバ漉き機
コバとは革の端の部分を表す言葉です。コバ漉きとは言葉の通り、革のコバ(端)を部分的に漉くことを表しています。

鞄にしろ革小物(財布、ポーチなど)にしろ、様々な形に裁断された革を縫い合わせて作られています。革と革を重ねて縫い合わせる部分や、2つ折りの財布などの折れる部分を薄く漉いていきます。革を漉くことでその後の縫製のし易さと、仕上がった時の美しいフォルムを実現しています。